達谷窟 毘沙門神楽

4月29日土曜日 達谷窟の毘沙門神楽を見てきました。神を崇め敬う信仰の篤さを感じる素晴らしい舞いを、こころゆくまで堪能させていただきました。

16時半から金堂にて神事が執り行われ御神楽が奉納されます。その後、場所を変えて17時から、まずは式舞 御神楽が二人の演者にて舞われた後、つづいて  神舞 岩戸、  神舞 くずし舞、 段事 母情甲冑堂、 段事 月見坂の危難 と続きます。月見坂の危難の頃には、日も落ちてあたりもうっすらと暗くなりかけ何やら荘厳な雰囲気です。あやしい上臈が義経をたぶらかし、酒に酔った義経を短剣で突き刺そうとする場面は、まさに身の毛がよだつ神がかった舞いが披露されました。こんなすごい神楽が平泉にあった事に本当に驚かされました。昔は集落の老若男女がおおぜい集まり、これからはじまる大変な農作業(田植えに伴う作業残飯)の前のひと時、老いも若きも神楽の世界にのめり込んで心から楽しんでいたことでしょう。それはまさに、現代人が劇場で大人気の演劇やミュージカルを楽しむようなものだったのではないでしょうか。

すっかり暗くなった達谷窟西光寺。舞いが披露された舞台の上の電球がほんのりとあたりを照らしています。神楽の心地よい余韻を感じながら、気持ちよく帰路に就いた一夜でした。