読書の醍醐味 Vol.3
秋晴れの一日、いつもの観自在王院でのんびりと・・・。本日は人口学、地政学の権威、エマニュエル・トッドの「老人支配国家 日本の危機」(文春新書)を読んできました。
トッドは大胆にも言いきります。『老人を大事にするのもいいが、それで若い人間を殺していたら、いずれ日本は衰退する』
コロナ禍の中で、過剰に老人のコロナ死亡率を押さえんがために、若者への対策をおろそかにしたために急増する若者の失職、そして自殺・・・。日本人のだれもが表立って言えないことを、フランス人のトッドは大きな声で訴えかけてきます。『日本にとって老人の死亡率を下げることが大事なのではない。日本にとって最も大事なことは出生率を上げることなのだ』と。日本人の誰もがわかっていて、かつ何年にもわたって大騒ぎしているにもかかわらず、何ら有効な対策を打たない「ニッポン」に対してトッドは警鐘を鳴らします。
今まさに大事なこと、本当に考えなければならないことを真剣に考えさせられる一冊です。