鉄道カフェ 奥州懐古館やまびこ

古きモノたちが、ごった煮のように詰まった不思議の国。それが「奥州懐古館 鉄道カフェやまびこ」です。館長は伊藤淳さん。なんとも味のある不思議の国の不思議な人です。

築100年は優に超える古民家に、所狭しとマニア垂涎のお宝がいっぱい。ジオラマに鉄道模型、特急のマークやサボ、駅名を伝えるホーロープレート、そして列車に掲げられていた目的地をしめす看板。「上野行」「小樽行」「黒磯行」・・・。長年にわたって実際に現場で使われ続けてきたものだけに、本物が持つ圧倒されるような存在感がここにはあります。

 

入口に掲げられた味のある看板

店内 大きなテーブルに座りやすい椅子
鉄道ジオラマ
鉄道ジオラマ

ホーロープレートの数々

東京で仕事をしていた伊藤さん。「そろそろいいか」と向こうの仕事を手じまいして帰ってきたのが3年前。古くからの商家だった実家は明治の頃に建てられた優雅な古民家。お金に糸目をつけずに造られたと思われるこの建物、商家らしく奥に続くたたきがあったり、緑をたたえた箱庭があったりと古民家ファンにとっても垂涎の建物です。

30年来の鉄道ファンだった伊藤さん。実家の建物と同じくお金に糸目をつけずに(?)集めに集めて、東京の狭い倉庫にたくわえていた鉄道コレクションを、この地味豊かな「水」の中に大解放。最高のステージを得たコレクションたちは、まさに「水を得た魚」のようにその存在感を示しはじめました。

宮崎駿のアニメに出てきそうな箱庭
味わいある箱庭
奥まった場所にある隠れ部屋
箱庭に続くたたき
お宝の数々

奥様とお嬢さんを東京の自宅に残し、自らは「単身赴任中」と称する伊藤さん。古民家ファンの熱い要望に応えて民泊も併せて営業しているため、当初考えていた「好きなものに囲まれて悠々自適にのんびりと・・・」とは当面いきそうにはありません。それでも来てくれたファンを連れて建物内を案内して回る伊藤さん、なにか活き活きとしてとってもいい顔しています。

コレクションに囲まれた空間の中で、おいしいコーヒーをいただくひと時、過ぎ去った古き良き時代を思いながら、時間を忘れて優雅な時を過ごすことができます。

お宝に囲まれた喫茶コーナー
奥州懐古館やまびこ 全景