冬、到来す
本格的な冬が到来しました。宏大な遊水地の中を走る高架橋が霧で霞んで見えます。北上川の水温と遊水地の気温との差によるこの霧は、この地域に冬の到来を告げる風物詩です。
遥か彼方から、霧の中をかすかに何ものかが近づく音が聞こえます。するとその音は徐々に音量を増し、緑色の「その物体」は轟音を発しながら目の前を通過していきました。東北新幹線・はやぶさです。
ゴーーーーーーーーーーッ
ゴーーーーッ シュルシュルシュルシュルシュル・・・・・・・・・
シュルシュルシュルシュルシュル・・・・・・・・・
シュルシュルシュルシュルシュル・・・・・・・・・
シュルシュル・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・ (静寂)
ガウ ガウ ガウ 霧の向こうから何かが鳴きながら近づいてきます。 と、突然、低空で飛んできた白鳥が、霧の中から現れます。
ガウ ガウ ガウ ガウ ・ ・
ガウ ガウ ガウ ガウ ガウ ・ ・
ガウ ・・・・・・
・・・・・
・・・(静寂)
白鳥の群れが佇む遊水地の上を一羽のカラスが飛んでいきます。
須川岳(すかわだけ)山上は雪をかぶり、これからやってくる冬の厳しさを予感させています。
いよいよ岩手の、長いながい冬の始まりです・・・。