奇祭、二十日夜祭(はつかやさい)

1月20日、二十四節気で「大寒」といわれる1年のうちで一番寒い日この日に、天下の奇祭が平泉の町で執り行われました。世界遺産の一つである毛越寺(もうつうじ)の常行堂というお堂に祀られている疫病を退散してくれる魔多羅神という神様をお祀りするのがこの祭りの目的です。その神様の宿る毛越寺・常行堂までの1キロあまりの道筋で、町にはびこる疫病を退散するための密教由来の護摩を焚きながらの祭りが繰り広げられるのです。

夜の7時。日が沈んでしばらくたったこの時間、外気温は氷点下5度をしめしています。コロナのために4年ぶりとなる今年の開催。厳寒の中を、この年に年男となる42歳の男衆が、頭に鉢巻きを締め、腹巻下帯そして地下足袋姿で、松明を掲げながら疫病退散のための大きな声を張り上げて町を練り歩きます。寒さを吹き飛ばす景気づけのために、道筋のいたるところで町の人々が男衆に”ちから酒”をふるまいます。酒の力も借りて全身を赤く火照らせた男衆、大きな掛け声を町中に響き渡らせながら、いよいよ二十日夜祭りが始まりました。さあ、それではこの祭りが如何に「奇祭」であるかを、どうぞ以下の写真で存分にご照覧ください。